入院初日!!治療の選択!!

2016.1.13(水)のこと。
いよいよ、入院当日。
病気のことは心配だが、気持ち的には病院へ行きたくなくて行きたくなくてしようがない。
それでも、もうここに至っては覚悟を決める。
普通に、いつも通り朝食を食べて、最終的に荷物のチェック。
ある程度の準備ができたら、家を出るまでの時間を他愛なく過ごす。

家内も入院は必要と思う反面、家を一人で守る心細さと、これからどうなるのだろうかという不安で一杯のよう。
それぞれが複雑な思いのまま、時は経過する。
それは、わんこ達にとっても・・・・。

さて、10:00だ、時間が来た。
わんこ達に留守にするあいさつをして、家を出発。
昔入院した時もそうだったし、”さくら”(先代のパピヨン)が亡くなった時もそうだったが、いつもの当たり前の日常がなくなるというのは、それはそれで辛いものだということを改めて実感。

毎朝の出勤が億劫に感じたり、同じことの繰り返しに思える毎日にマンネリ感を感じたり、不平を持つことも珍しくはないのだが、いざ、それが奪われるとなると、かなりの喪失感になるもの。
病院までの道のりを家内ともども、いつもの見慣れた近所の風景を目にしながら、当たり前のことのありがたさを、しみじみと実感する。

ものの10分で病院到着。
家内は昨日、書類を届けに来て視察済みだが、私はここKY病院の第2病院(入院病棟)は初めて。
建物は新しく綺麗なところ。
でも、ロビーには、やはりそれ相応の高齢の方が多く、見たこともない大きな点滴をつけて来客者と面談を楽しんでいる。
私的には、「とうとう、こういう所へ来てしまったんだなぁ・・・」という気分で一杯。

手続きを済ませて、病院スタッフに呼ばれるのを待つ。
ものの5分もしないうちに、年配の看護助手の方がやってきて、病室へ案内される。
部屋が空いていなくて、個室と聞いていたが案内されてびっくり。
ちょっとした、ホテル並み、いや、それ以上の立派さ。
まず、広い・・・・。
ちょっと、私には贅沢かとも思ったが、ここしか空いていないのだから仕方がない。
保険適用外の自腹で1日税込7,020円。
グレード的には、4段階あるうちの上から2つ目のランクの部屋。
もとより、入院手続きの段階から言われていることであり、大部屋が空くまでとの納得の上での申し込み。

でも、私もよくよく考えて、当初は空きができたら4人部屋の相部屋へと思っていたが、私の過去の入院体験とは違って、ここは癌専用病棟。
色々と、状況の深刻な人も多いだろう。
多分、年齢的に私は若い世代になるであろうし、あれこれ人間関係的に気を使われるのもどうかと思えてきた。
また、副作用のひどい同室者を見るのも、ある意味つらい。
もし、部屋が空いたら、やはり個室で最低ランクの5,400円税込の部屋への移動を希望した。

まずは、荷物を置いて、病棟フロアを今日の病室担当の看護師さんに案内される。
案内の中、「多分、部屋から出ることはないと思いますが・・・」と、何回かこの言葉が出てきた。
それは、抗癌剤が始まると、動けなくなるということかな?と解釈。
一通り、案内が終わり、荷物の整理をしていると、M医師がやってきた。

まずは、軽いご挨拶から。
そして、やっぱり腎臓の働きが気になるとのことで、腎臓が悪いと抗癌剤ができないとのことで、まずは採血検査をして様子を見たいとのこと。
これは、家内がここへ入院治療の申し込みをした時に、T病院のKM医師の見解を口頭にて伝えていた。
M医師も、いの一番に気になっていたようで、この件によって入院期間がはっきりしていないということでもあるようなのだ。

すぐさま、看護師さんがやってきて採血開始。
そして今日から、食事前の血糖値を金曜日まで測定することに。
取りあえず、今、この場での測定では血糖値はいい数字。
そして、昨日もそうであったが、血圧がちょっと低い。
上が100を切ってしまうって、私の記憶では初めての状況ではなかろうか。
そうこうしているうちに、あっという間にお昼用のお茶が到着。

家内は、もうそろそろ会社へ行こうかという頃になっていたが、せっかくだから、昼ご飯、見ていったらと提案。
「そうする・・・」ということになり、昼食登場までいることに。
そして、昼食がやってきた。
今回は、カロリーも塩分制限もない普通の病院食のため、結構、豪華に見える。
家ではあまり食べそうもない何かの肉?のカツがあったため、意外と食欲もアップ。
あっという間に食べつくす。
結構な、ボリュウムもあったが、一気に平らげた。
家内もこれには、びっくりしていたが、これで体力維持ができるかも・・・との期待はあった様子。

そう・・・・・。
到着して、すぐに体重を測ったが、今の私は服を着た状態で71kg。
また、明らかな体重減である。
とうとう71kg台になってしまった。
この騒動の前は、私は身長176cmで、82~83kgあったのである。
メタボ的観点からすると体重減は喜ばしいのだが、不健康な体重減は困ったもの。
とにかく食べて、体力維持に気をつけねばならない。

私が昼食を食べ終えるのを見て、取りあえず、家内はいったん会社へ戻ることに。
夕方、また来るとのことで帰って行った。
薬剤師さんがやってきて、持ってきた薬を、一旦、全部預ける。
血圧が低かったこともあり、この間のM記念病院のこともあるため、今後の処方をどうするか検討してもらうことに。

しばらくすると、M医師がやってきて、血液検査の結果を見ると、やはり腎臓の数値がよくないとのこと。
前から言われている腎臓と膀胱の間の管が、癌細胞で詰まっていないかが心配。
もし、そうであれば、泌尿器科での治療が必要。

すぐに、造影剤を使わないCT撮影を行いたいとのこと。
このあたりについても、T病院とまったく同じ見解。
当然、同意して判断を仰ぐことに。
その後、看護師から呼ばれて、1階のCT撮影室へ。
撮影自体は、ものの5分もしないで終了。

再び病室へ。
後は、荷物整理の残りを続けながら、新しい生活空間へ馴染む努力をすることに。
なんだか、広過ぎて眠れるだろうか?
そのうち、あっという間に外も暗くなった頃、M医師が現れ、「今日は、奥様はもう来られませんか?来るとしたら何時頃?」と確認され、仕事が終わってからなので、18:00以降になると伝える。
「今後の治療方針について相談したいので、その頃にまた来ます」とのことであった。
「何だろう?」とは思うが、まぁ、話を待ってみることに。

この部屋に入った時、師長さんから「この部屋はパソコン使えますから、言ってくださいね」と言われていたのを思い出し、どこかにLANケーブルのジャックがあるのかと室内を物色。
すると、ちょっとわかりづらいところにあった。
私の持ち込んだのは、スマホとタブレット(ネット契約無し)なので、どちらも直接のLANケーブルとは無縁の代物。
ところが、「ん!待てよ・・・」と、突如として閃く。
ここに、よくホテルの出張先とかで使える、ポータブルのWiFiルーターがあれば、この部屋の中全体を無線LAN環境にできるのではないかと思いつく。
さっそく、某、〇天と〇マゾンを調べると、なんと送料税込で2,000円を切る値段でそういった商品があるではないか!
即、プチッと、注文。
これが届けば、タブレットでもネットを見れるし、スマホの通信容量も気にしないで済む。
ここにきて、こんな状態でも、まだまだ、こんな知恵のまわる私である。

ところが・・・・・・。
タブレットをひっぱりだし、この原稿を打ち込んでいると、突然、画面がフリーズ。
まったく、タッチパネルが反応せず、強制終了もできない。
PCと違ってマウスがないため、タッチパネルが機能しないとまったくお手上げ。
一応、このタブレットは、この入院に備えて用意し、購入後Windows10にアップしている。
2万円台で買えたということもあり、「こんなものなのかなぁ・・・」とは思いつつも、まだ買って一か月以内での出来事。
どうしてくれようかと、スマホで同じような事象の事例と対策がないか調べる。
なかなか、抜本的な解決策が見つからず。
メーカー対応も調べるが、これは帰ってからじっくり対応することになるか・・・と、取りあえずは、あきらめることに。
無事に帰れたらの話だが・・・・・・。
一応、できることは、自然に放電させ、バッテリーがなくなると自然にシャットダウンされるのではないか、というところへ期待する。
それにしても、入力データはどうなるのだ。
結構打ち込んだはず。
入院初日でこれもないだろうと、結構なショックを受けるが、やむを得ず。
成り行きを見守るのみ。

そして、夕食。
まだ、17:30である。
病院の食事とはこういうものだ。
でも、お昼をがっちり食べているので、お腹がすいていない。
まぁまぁ、見た目はともかく、体力をつけるという意味からもがんばって完食。
う~ん、お昼は物珍しかったせいもあったかもしれないが、さすがに夕食は、あまり感激はない。

やがて、家内がやってきて、それを見越していたかのように、M医師も登場。
3者で今後の治療方針について相談と相成る。
まずは、M医師からの状況説明。

やはり、腎機能が正常でないことから、現状では抗癌剤治療に入れないということ。
幸いにも、CT検査の結果、腎臓と膀胱の管の詰まりは確認されなかった。
でも、腎機能が悪いということは、それはそれで問題。
T病院から受け取ったデータによると、1月に急に悪くなっているので、これが一過性のものなのか、実は以前からの影響で病原が潜伏していたものが、今回の癌の影響で急に悪くなったものなのか判断がつかないとのこと。
もし、後者の場合だと、回復は難しいし、抗癌剤の治療はできないという結果になるとのこと。

これは、かなり手厳しい状況。
もはや、私の体は、もうボロボロということ。
癌の治療に来て、癌の治療ができないというのもかなりな衝撃だ。
今後の選択肢として、M医師からのいくつかの提案。

① このまま、癌治療を断念する。
 「エッ!?」とは思うものの、まぁ、選択肢としての話と受け取る。
②まずは1週間、24時間ぶっ通しの保液点滴を行って腎機能の回復を試みる。
 その後、腎機能が回復すれば抗癌剤治療に入り、回復しなければ、治療はしないということに。

③そして腎機能が回復したという前提で、
 a.胸に機械を入れて、2種混合の抗がん剤を投与。
   一番効果が高く、本来、M医師はこれを実施するつもりだった様子。
   2週間続けて1週間休んでまた実施という治療スケジュールのよう。
 b.内服薬だけの抗癌剤の実施。
   入院等の必要もなく、仕事上にも影響が少ない。
   ただ、効果はやはり薄いらしい。
 という2つの選択肢がさらにある。

④もし、腎機能が回復しない場合、1種類だけの抗癌剤を使用する方法もある。


とのことらしい。

ん?
④の方法があるのなら、①の選択肢は何なのだ?とは思ったが、黙って話を聞く。
この④の方法に関しては胸に何もつけず、普通に腕からの点滴で済む。
日帰りで実施することも可能。
だが、効果はやはり軽いとのこと。


という選択肢が提示された。
一瞬、腎機能がダメだということでの、またまた絶望感を味わったが、最悪④の方策もあることがわかり、私はここは積極的に考えることにした。
まずは、腎機能の回復に賭けてみることとし、そのうえで、③のaで考えていくし、万が一の場合は④の治療方法をとるということに。
少し時間は余分にかかるが、徹底して病気に抗ってみることを決意する。
家内は色々とネットや本などで、抗癌剤に対して抵抗感をもっているようであるが、私は現状の医療でのセオリーは受け入れる考え。
民間療法も確かに悪くはないし、反化学療法派の情報も私は理解はしている。
しかし、それでも、とりあえずは国際的にもエビデンスが確立されている治療方法なのだ。
世の中、色々な考え方があるようだが、私はこの化学療法に賭けてみることにした。

M医師も、抗癌剤の実施については慎重。
本人の体調を診ていくし、状態が悪くなればすぐ中止していくことも考えているとのこと。
家内は、まだ少しわだかまりもあるようであるが、致し方がないといった感じ。

そうと決まれば!!とのことで、早速、今晩から腎機能回復のための点滴を開始することに。
この先、胸に機械を入れる対処(簡易的な外科対応)をするため、明日より循環器系の血液をサラサラにするための、バイアスピリンブラピックスの服用を辞めることに。
代わりに、同等の効用のある薬を点滴液の中に入れて対処するとのこと。
M医師が去った後、すぐに看護師がやってきて、点滴のセッティングがなされ、すぐに点滴剤が投与。

そして、後はすることがなくなった。
取りあえず、ここからの1週間は癌への直接対策は据え置きで、私の体調を管理することに集中することとなる。
家内のスマホにLINEの設定をする。
病院と家との連絡をしやすくするためだ。
ちょと前なら、携帯電話しかなく通話の場所的な制限もあった。
今は便利になったものだ。

家内も家へ帰り、これからしばらくは、一人きりの生活。
これから何がどうなっていくのかという不安もありつつ、家で一人という寂しい思いをさせてしまうのは仕方がないこととはいえ、大変申しわけない。
まさか、今回のこの入院で、このまま二度と家に帰れなくなるようなことはさすがにないであろうけれど、取りあえずは、早く家に帰れることを目指そう。
それでも、まだ、我が家にはわんこ達がいるのが幸い。
特に、上の子の”あやめ”は”さくら”(先代のわんこ)が亡くなる時もそうだったが、いてくれるだけでずいぶんと助けられた。
今は、それに加えて、”かえで”もいる。
手はかかるけれど、家内にしてみれば、少しは随分と気分もまぎれてよいだろう。

私の留守をわんこ達に託す。
家に着いてから、すぐに家内からメールが到着。
やはり、私のいない家で、一人でいるのはなんとも心細いのであろう。
これには、申しわけなく思うのみ。
入院初日がこうして過ぎていき、夜を迎えていくことになる。
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テーマ : 末期がんの闘病記
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

North Wind

Author:North Wind
生年月日:1962年2月21日
性別:男
家族:妻、息子(独立済み)、わんこ(パピヨン2頭)
北海道札幌市在住

2015年12月21日。
年末の慌ただしい中、肝内胆管細胞がん(胆のうがん)、肝臓に10cm大の腫瘍、リンパ節転移、肺転移によりステージⅣと診断されました。
手術、放射線治療は不可とのことで、余命3ヶ月~半年との宣告を受ける。

しかし、2018年現在・・・・・。
抗癌剤治療にて仕事も、なんとか正常に継続し、今のところ生存しています。

追記1:2018.6.29
ここまで順調に癌の進行を抑えていましたが、とうとう腫瘍マーカーの急上昇、肺転移、肝臓中心部にも新たな腫瘍が発見されました。
最後の手段だった内服の抗癌剤の効果なしと判断され、もはや打つ手はなしと宣告されました。


追記2:2019.2.18
色々と手を尽くしてきましたが、いよいよもって『終わりの始まり編』に入ってきたようです。
大変、悔しく、断腸の想いでもありましたが仕事も退職しました。
これから、どんどん衰弱は進むでしょうが、最後の最後までこのブログは続けていこうと思っています。


どこまでできるかわかりませんが、癌と共に生きる、そして働くということ、癌になってわかったこと、学んだこと、そして私の生き様を記録に残していきたいと思います。

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