癌について調べたこと・・・・・・

 ※この記事の投稿は、当時の詳細な時系列の流れとはまったく関係ありませんが、ちょうど治療の展開の流れとして一区切りついたことと、この頃の話題ということで、この近辺の日時のところに盛り込んでみました。

さて・・・・・・・・。
昨年の暮れにはっきりと癌を宣告されるにあたり、およそその前後から、私も他の癌患者の皆様方と同様に、色々とネットや書物にて癌関係の情報を読み漁る。
いくらメンタル的には動揺はないとは言っても、やはり生身の人間として、はっきりと癌であることや、余命のことを宣告されて、その事実と直面するとなると、それはそれで焦りがないわけでもない。
病気になる前までは、あまり気に留める分野の話ではなかったが、やはり当事者となるとその意味合いは変わる。

私が着目したテーマは、おもに、

・基本的な癌のことについて。
・私の発祥部位の胆のう癌について。
・また大きな転移先の肝臓癌について。
・また抗がん剤を始めとする標準治療のこと。
・抗がん剤の効果や副作用について。
・終末医療・緩和ケアのことについて。
・他の患者の方々の闘病ブログ。
等々・・・・・・・。


やはり情報を集めることに没頭するということは、人間切羽詰まった状態となると、特に意図せずともどうやら自然な行為となるようである。
その中で、この時期、特に私が手に取った癌関係の書籍を以下に紹介してみたい。
これは私自身、自ら購入した物、家内が「これ、読んだら・・・・」と買ってくれたものがある。
正直、ためになったもの、そうでもないもの等色々。

以下にそれらの書籍と、癌患者当事者の立場としての私の簡単な感想をあげてみたい。
ただし、感想については、私個人的なものなので、あくまでも参考に。





【ガンに勝つ極意】
著者は、ウィシン・E・キムという方で、韓国出身、現在は米国在住の医師。
世界最高峰と言われる、MDアンダ-ソン癌センターに約32年間勤務し、退任後は各地の大学にて教鞭をとって後進の育成、70歳を越えた今もなお、世界各国で講演活動などを精力的に続けている。
全米ベストドクターに11度も選出された名医。

そのMDアンダーソン癌センター勤務時代における、癌治療の最前線で起きた奇跡や、癌に対する基本的な考え方が述べられており、ただの癌に対する専門的な話だけではなく、著者自身の医師としてのスタンスなども各所に散りばめられている。

文中で、『病気が治癒するのは、80パーセントが神様の意志だ。10パーセントは医師が治療し、残りの10パーセントは薬が助けてくれる。だから決して自分達が治したのだと自己満足に陥ってはいけない』と、著者が今も忘れずにいる著者の師の言葉がある。
ちょっと私には、「あれっ、患者自身の力は含まれないのかな?」とは思うものの、全編にわたって著者のこの本の出版意図として、切羽詰まった癌患者や家族に向けての深い愛情を感じる一冊。


【がんを生きる】
東北地方での県立病院・国立がんセンターを勤務の後、都立病院の勤務を得て現在は同病院の名誉院長になられた方が著者。

実は、この本はあまり家内に勧められなかった。
どちらかというと緩和ケアに入った人向けのようなコンセプトで書かれており、家内が言うには私にはまだ早い。
もっと生きる希望となるべくテーマの本を読むべきということのよう。
なるほど・・・・・、見守る家族としては当然の気持ちであろうか。
でも、私はいずれ来るべき段階の心得として、知識だけは得ておきたいということからこの本を手にしてみた。
なにせ、死に直面するのは、私自身なのである。

この本は、著者のお立場がお立ち場でもあることから、どちらかというとエビデンスをべースとした標準治療を前提としたスタンスをとられているようだ。
そのため、今の癌治療の現場のスタンダードといえば、そうであり、より医療現場の実態をストレートに理解するという意味では参考になる。

ただ、家内が懸念するように、希望を見出すというよりは、どう現実に向き合うかということが主体となっている。
ただ、それでも、標準治療の中で、医療従事者の方々にも、こういう気持ちで患者と向き合っていらっしゃる人たちがいるというのには、素直に感銘を受ける。
しかし、こういう病院やスタッフの方々と巡り合えるのも、やはり運とか縁というものが作用しているのであろうか。

私も仕事上では、常々、お客様にもこの『運・縁』も、ある程度は本人の努力で引き寄せることができると、常々、口にしていること。
人に言うのはたやすいことではあるのだが、命の終焉を突き付けられた私に、いざ我がことのこととなると、果たして、そんな容易にできることなのであろうかと深く感じ入る。

どちらにしても、この本は今の標準的な医療現場の立場から、終末期の患者に向けられた本。
私もいよいよの時がきたら、もう一度、この本を読み返すことになるかもしれない。



【がん、自然治癒力のバカ力】
正直なところ、私はこの本は好きになれなかった。

著者は産婦人科医、某民間企業の医事研究室を得て、自ら自律神経免疫療法による癌専門クリニックを開業。
確かにご自分の治療法には絶対の自信をお持ちであり、その論拠の展開にはなるほどというものもある。

しかし、他の治療法をあからさまに否定する記述が多々見られ、自説のみが正しいと言わんばかりの本の構成には、共感するまでには至らない。
これではまるでこの本は、困っている人への情報提供や勇気づけといった本なのでは決してなく、著者の主催するクリニックの販促ツールであるといえよう。

もちろん、この治療法で良い結果を得られた方々も実際にいるのかもしれないが、私はこういう姿勢は嫌いである。
私も、いくら生への執着があまりない、とは言ってはいても、藁をもつかむ想いが、私の中にまったくないというわけでもない。
できるならば、この暗闇にも似た状態から脱することができるならばという気持ちもあることにある。

しかし、それでも私は、こういうスタンスの治療者が主導する治療法にすがることは、決してないだろう。
私のようなこういう状態の時、色々な情報に振り回されそうになることもあるかもしれない。
でも、全て受け身になるのではなく、自分に合った適切な情報を切り分けて選択していくことの大切さを、はからずもこの本によって教えられた次第である。






【がんが自然に治る生き方】
この本の著者はケリー・ターナーという大変お綺麗な女性。
著者の経歴によると、この方は医師ではなく、腫瘍内科学の研究者という位置づけ。
ハーバード大学で学士を取得し、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得した才媛。
本の中では、癌専門病院でカウンセラーとして、ご活躍されていたという記述も見られる。

この本は、著者の癌研究の中で、1,000件を超える奇跡的に癌が寛解した事例をもとに、世界各地を飛び回り、その当事者へのインタビューを試みたものをベースとされている。
そこで得た知見や見識を9つの実践ポイントとして一冊の書籍にまとめ上げたもの。

医療従事者に見放された方、あるいは自ら標準治療を拒否した方等々、様々な事例を紹介しながら、その方々、個人個人の創意工夫や、あらゆる手立てを使った実践行動がつぶさに紹介されている。
なんとその事例の中には日本人の患者のケースも紹介されているのには驚き。

人脈を駆使したケースもあれば、本当に簡単な日常生活の見直しといったことまで、その実践内容は千差万別。
ただ共通しているのは、食習慣、生活環境、感情のコントロ-ルといったことなど、全て自然に立ち戻るといったことなのであろうか。

全ての癌の症例に効果的なことかどうかは、疑問の余地はぬぐえないが、こういう方法・考え方もあるのか・・・・という点では、非常に興味深い。
今のエビデンス至上主義の医療界の観点から見ると、明快な根拠に乏しい事例でもあるのだが、一つのエピソードとして読んでいるだけでも、それでもなぜかストンと腑に落ちる気がするのは実に不思議。

治療を通して、また医師とのやり取りの中で、患者としてはどうしても悲観的に考えてしまう場面もある中、こういう事例を眺めているだけでも、相当に気持ち的にはリラックスできる。
このリラクゼーション効果がひょっとしたら免疫力を上げることにつながるのかもしれない。

私はこの9つの実践項目に傾倒してしまうということはなかったが、今でもそのポイントポイントは意識して日常を過ごしている部分もある。
癌を宣告された方やご家族の方々は、一度は手に取ってもいい書籍かもしれない。







【今ある がんを消すスープと味噌汁】
この本は家内が買い求めて読んでいる本。
私はチラリとしか目を通していない。
我が家では、この度の病気宣告を受けてからというものの、専門的な治療は主治医に任せながらも、民間療法という意味では、それなりに研究し癌に対して抵抗もしている。
本書は、その一貫としての食事療法の参考書という位置づけであろうか。

この原稿を書いている今現在では、少々食生活の管理も甘くはなってきているが、この当時はまだ開始直後のため、がっちり食事は管理された。

メニューや調理法もさることながら、食材も一切、化学調味料・添加物は避けるようになり、自然・無農薬・オーガニックというキーワードに一気に集中することになる。
野菜は、ネットで産地からの無農薬野菜を購入。
調味料やコーヒー・紅茶の果てまで、オーガニック製品を購入。
私の好きなインスタントラーメンは厳禁となってしまった。

正直なところ、食べてみて、ほとんどがあまり喜ばしい味覚ではない。
単品としてその時だけ食べると、おいしくないわけではないのだけれど、結構、この手のメニューが続くと飽きてくるのである。
ただ体のことや、家内の気持ちを想うと、我慢して食べていくしかないのだろう。
これもまた、闘病の一つであろうか。




【ガンを消す食事】
こちらも前掲と同様に家内が買い求めたもの。
同じく、私はチラリとしか目を通していない。
この本の著者は医師。
医療現場で癌の治療と向き合いながら、独自に食事療法を研究し、この本以外にも多数の書籍を世に送り出しているみたい。

こちらも前掲の本と同様に、当時の我が家では食事療法のバイブル的な存在となる。
この本で紹介された料理は、幾分、おいしさとしては、まぁまぁという感じ。

ただ、中には結構手の込んだものもあるようで、この本の記載通りの食材を揃えるのが、やや大変みたい。
別の食材で代用したり、一部の食材は省略して調理したりということもあるようだ。

なかなか、この本の通り実行するのには、家事にかける時間も、共働き家庭ではちょっと難しい。
結局、こうなると、いいものでも継続するのが難しく、この本で紹介さているメニューのほんの数種類しか実行できないという結果になる。
これもまた、食事療法の現実的な一面であろうか。

しかし、のべつくまなく、ただ食べたい物を食べるという食習慣から、食物摂取の管理が重要という意味で、この本で述べられている重要な部分を、その家庭でできることだけでもやっていくといスタンスでもいいのかもしれない。
惰性的な日常調理を少しアレンジするということだけでも、今までの食習慣よりはグンと健全になるのかもしれない。

でも私は、あまり神経質にはならないようにとは、時々、家内に伝えてもいるところでもある。

といったところ・・・・・・・。

下から2段にわたる料理関連の本は家内が見ていた本であるが、実はこれ以外にも野菜料理の本が何冊かある。
私の病気が発覚する前からあったのか、癌への対策としてチョコチョコ買い揃えていったのかはわからない。
でも、時々、今までに見たこともない料理が食卓に登場することは、確かにある。

ただ、私は書籍に関してはこれくらいで、これ以降は一切この手の物は読んでいない。
(実はこの原稿を書いている今の時点で、一冊だけ読み進めているものもあるが、これはいずれお披露目しようと思う。)

また、ネット情報も、最初の内こそ、むさぼるように見ていたが、そのうち見ることもなくなった。
せいぜい、他の癌患者の闘病ブログを見るくらいのもの。
それはやっぱり、色々と見れば見るほど、私の今の状況では超・悲観的にならざるを得ないというのが主な要因。
どこのデータを見ても、多少の誤差はあれども、私の胆のう癌、ステージⅣとなると、5年生存率は2.7%、10年生存率は1.9%くらいと出ている。
この手のデータは、実は何を分母として何を分子としているのかをよく見る必要があるのだが、これだけの低生存率の数字ともなると、もはや、その意味を知る必要があるのだろうかと思うほど。
すなわち、見れば見るほど絶望しかないのである。

そのため、私は安易に情報に頼るのはやめた。
無論、無知でもいけないし、必要な情報はある程度のことは勉強が必要だ。
しかし、やみくもに情報にすがるのは良くないことと決意。
奇跡と言われる話も数々あれども、私の場合に間違いなく再現されるとも限らないのだ。
それはやはり、その方々の色々な因子が重なった上での話。

やはり、己の体は己で体感するしかない。
その上で、来るべき結論は、それはそれとして受け入れるしかないと思っている。
そのため、これ以降は癌のことで書籍やネット情報にへばりつくのは止めにし、やるべき治療を淡々と行い、日常の生活、時間を大事にすることに集中することにしたのである。 にほんブログ村 病気ブログ 末期がんへ
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テーマ : 末期がんの闘病記
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

North Wind

Author:North Wind
生年月日:1962年2月21日
性別:男
家族:妻、息子(独立済み)、わんこ(パピヨン2頭)
北海道札幌市在住

2015年12月21日。
年末の慌ただしい中、肝内胆管細胞がん(胆のうがん)、肝臓に10cm大の腫瘍、リンパ節転移、肺転移によりステージⅣと診断されました。
手術、放射線治療は不可とのことで、余命3ヶ月~半年との宣告を受ける。

しかし、2018年現在・・・・・。
抗癌剤治療にて仕事も、なんとか正常に継続し、今のところ生存しています。

追記1:2018.6.29
ここまで順調に癌の進行を抑えていましたが、とうとう腫瘍マーカーの急上昇、肺転移、肝臓中心部にも新たな腫瘍が発見されました。
最後の手段だった内服の抗癌剤の効果なしと判断され、もはや打つ手はなしと宣告されました。


追記2:2019.2.18
色々と手を尽くしてきましたが、いよいよもって『終わりの始まり編』に入ってきたようです。
大変、悔しく、断腸の想いでもありましたが仕事も退職しました。
これから、どんどん衰弱は進むでしょうが、最後の最後までこのブログは続けていこうと思っています。


どこまでできるかわかりませんが、癌と共に生きる、そして働くということ、癌になってわかったこと、学んだこと、そして私の生き様を記録に残していきたいと思います。

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