TS病院でのセカンドピニオンの開始!!

2018年8月2日(木)のこと。②
さてさて、前の投稿では少し寄り道をしてしまった。
話を戻そう。
場所は、まだTS病院の腫瘍内科診察室前の待合スペースにいる。

私の今の現状は、以前にも少しどこかで記述しているかと思うが、数か月前から、腹部の肝臓辺りに不快感が時々発生している。
痛みというほどではないが、結構、気になる症状。
その頻度も多くなってきているのだ。
その度に、頓服のカロナールを飲んでいて、ここ最近では服用回数も増加中。
さらに、おそらくは肺への転移の影響かとも思われるが、ちょっとした動作での息切れが激しくなってきた。
このことも一緒に相談してみようと思う。

さて・・・・・・。
しばらくすると、受付番号を呼ばれ、家内共々看護師さん(前回お会いしたNさん)に案内されて診察室内に入る。
ここの副院長でもあるGT医師との対面。
TG医師よりは年配の方で、副院長という立場上、なんとなくお堅い人といったイメージを持っていたが、お会いしてみると、とってもやわらかな方。
態度も話口調も感じがよく、まったく不快感など微塵も感じさせない。
診察室に入室して、わずか数秒後の時点で、すぐに私も家内も安心して、向き合わさせていただくことになる。

私の検査データは事前に送付してあるし、放射線治療科のTG医師からの引継ぎもなされているのであろうか、私の状況はよく把握されている様子。
そのため、いきなり本題に・・・・・・。
もはや私も、まったく驚きはしないが、やはり私の病状としては、結構、厳しい状況であるということ。
GT医師の「正直なところ、実はいいお話ができないのですが・・・・・」という切り出しから。

腫瘍内科の専門医としても、ある種、標準治療に一つの見切りをつけたというKY病院のM医師の判断は、やはり、現状の医療界の判断としてはまさに標準的なこと。
おそらく、遠隔転移という状況から全身癌への対処としては、現在の薬物療法では次の手がないということ。

しかし、実は薬自体がないわけではないとの伏線も。
ただし、「諸外国では・・・・・」という但し書きの話になり、何やら英文で書かれた薬物種類のデータを机上のディスプレイに表示して説明してくれる。
そして、薬物の種類・タイプ・効能を丁寧にメモにしてくれて解説してくれる。
それが以下に示すメモ。

《GT医師が説明してくれた薬物の種類メモ》



















正直、今見ると何のこっちゃか、さっぱりわからないメモだが、その時説明を受けている時は、机上の端末ディスプレイのデータとGT医師の説明と共に、私も家内も実によく実態が理解できた。
もちろん、専門的な名称や用語については、さっぱりなのだが、この日本という国での医療制度のあり方や縛りについては、この前のTG医師の説明と同じで、ここではさらに詳しくその状況が把握できた。

まず、手術陽子線、私が質問として投げかけた動注療法については、私の病状として、やはり効果を期待することが困難であること。
それと、私の癌の発症部位、原発巣であるところが国の医療制度として、保険の適用内に認められていないということ。
要するに、胃がん、肺がん、大腸がんなど、患者数の多い病巣に対しては国も医療保障を考えているみたいで、私の胆のう(胆道)癌といった、少数罹患者の病巣については、対象外という考え方があるということ。

※ここからはGT医師の発言によるものではなく、説明を聞きながら私が勝手に思ったこと。
つい最近、オブジーボでノーベル賞受賞のニュースが流れ、TVを始めマスコミはこぞって大騒ぎしていたが、その時にはこの現場適用での実態を知っていた我が家では、実に冷めた目でそのニュースを眺めていた。

「技術だけの問題ではないんだ・・・・・」
「制度の問題なんだ・・・・・・・」
「命は平等というのは詭弁で、実際には区別(差別?)がある・・・・」


といった思いで一杯。
もちろん、受賞者の功績を讃えるのは、なんら否定されるべきものではなく、国全体として世界に向けては確かに名誉なこと。
しかし、現実のこういった実態を取り上げるマスコミはほとんどない。
当事者、関係者以外あまり知られてもいないことであり、世間の関心度も薄いということであろうか。
もっといじわるな見方をすると、こういう薬が出回ると、今まで主流となっている抗がん剤の製薬メーカーと、医療業界との水面下の闇の取引事情や利害関係も影響してくるのではないだろうか。
さらに財界や政界との濃密な繋がりもあるのではないか・・・・と、素人でも、B級映画のシナリオのように容易に想像できてしまう。
確かに医療費負担の財源の問題は深刻である。
でも、なぜ財源が不足する事態になったのか。
そして、そのツケを命にかかわる病気でありながら、ただ患者数が少ないというだけで、その当事者の生存への道が閉ざされてしまうことって、これはこれで正しい在り方なのだろうか・・・・・・。
思いは果てしない・・・・・。

うん、いや、ちょっと愚痴ってしまったみたいだ。
こんなことを述べても事態は何ら変わらない。
これも私の運命と受け止めるしかないのだろう。

さて、話の流れをもとに戻そう。
そのオブジーボについても、自由診療で行った場合のザックリとした試算を、私の身長体重から投与量をざっと見積もって金額にしてくれた。
すると、およそ一か月で60万円ほどということらしい。
それでいて、効果は10%くらいの期待しか見込めないとのこと。(ノーベル受賞時のマスコミ報道では20%という数字が示されていたが、現場の医師として、私の状況ではこの程度の数字なのだ、やはり、TVの世界は私にしたら、どこか遠い別の世界の話のようだ)。

なるほど・・・・・、庶民には無理だ。
すごく、よくわかった。

それにしても、熱心に正直に情報を伝えてくれる医師。
最後に私も、「なった病気の場所が悪かった・・・・、と思うしかないんですね」と恨み言葉でもなんでもなく正直な気持ちを伝えると、GT医師も大変残念そうに、「残念ながら・・・・・」というお言葉と真摯な表情でお応えいただいた。
ただ機械的・事務的に結果だけを「できない、無理です」ということだけではなく、細かな事情を伝えてくれたことにより、結果的には残念なことには変わらないのだが、説明を聞いた立場の気持ちとしては納得度がまるで違う。

最後に私の肺と腹部(肝臓)の状況を相談してみるが、肺についてはまだそんなに悪さをする大きさではないでしょうとのこと。
腹部については、もともと何が起こっても不思議ではない状況のためなのか、具体的にどうということは言ってくれなかった。
私も、「病気の発覚以来、ここまできたこと自体が奇跡と思っているし、それぞれの医療関係者の皆さんには感謝をしている」と告げると、GT医師も急に神妙な表情になり大きく頷かれる。
事態はなんら好転する状況にはならなかったが、それでも、私も家内もこのGT医師の丁寧な対応には心より感謝。
丁重に頭を下げて、その場を辞することに。

そして・・・・・。
この後、別棟の『〇〇〇治療センター』放射線治療科に向かう。
今日の予定としては、もう何度か対応いただいているTG医師のもとにも行くことになっている。
正直、私も家内もこの時点では、もう、あきらめの境地。
もはや、残された道は、効能もはっきりとしない民間療法しかないのか・・・・・・・と、家内と話をしながらTG医師のもとに向かう。
私の中ではもっと現実的に、仕事を辞めることや、もう人生の終息に向けての緩和ケアのことが脳裏をよぎっていた

放射線治療科に到着。
ほとんど待つことなく、TG医師と対面。
挨拶もそこそこに、開口一番、「病態全体としては、腫瘍内科でお聞きになった通りです」とのこと。
まぁ、そうだろう・・・・と、多分、もう院内での正式見解は協議済みなんだろうと推察される。

が、しかし・・・・・・。
この後のTG医師の言葉には、正直腰を抜かすほど驚いた。
「でも、私のところでできることは・・・・・・・」と、なんと話がまだ続きそうなのだ。
それは、全体的な改善治療は見込めないとしても、ここ最近で転移が認められ、大きくなりつつある腫瘍に対して放射線を浴びせて、全体の病状進行を遅らせるという話。
つまり、根治ではなく、局所的な対処により、これ以上の悪化を少しでも抑制しようという考え方によるもの。
もちろん、これで、この病気から解放されるわけでもなく、できるだけ、できるところまで延命しようということ。

これには、私も家内も、無茶な根治を最初から求めているわけでもないことや、特に病気の当事者であるこの私が、かなり冷静にこの病気と向き合っているということを、このTG医師は汲み取ってくれているものと思われる。
まずは、昨年の10月に発覚した肺の転移部。
ここは気管にも近いところなので、これ以上成長させてしまうと、なにかと不都合が起きてくるとのこと。
なるほど、ここ最近の息切れは、こういった理由によることなのかもしれない。

ここにに放射線をだいたい15~16回の放射を考えているということ。
また、肝臓についても、こちらはかなり慎重に検査と検討をしなければならないが、TG医師の感覚としては、おそらくできるのではないかという手ごたえを持っており、こちらも詳しく調べて実施を検討したいとのこと。

もちろん、放射線治療としての副作用もあり、説明も受けるが、最終的には私の意思によるもの。
「どうしますか?」との問いに、私は即断で「お願いします!!」と答える。
家内も同意。
確かに副作用のリスクはあるにしろ、今、できることはやっておきたいというのが正直な気持ち。

すると、「わかりました。では治療計画と設計を開始していきますね」とのこと。
そうなると、そのための検査も必要とのことで、CTとMRIを実施するための日程調整に入る。
付き添っていた看護師さんも急にあちこち電話をかけて予約日の確認に動きだす。
前にも思ったが、ここはやると決めたら行動が本当に早い。

これには、感謝・感動・感激!!
実際のところ、既に余命数か月を言い渡されている我が身としては、今さらもう、この状況だからといって失意のどん底というわけでは全然ない。
しかし、まったく打つ手がないというこの現実に、やや途方に暮れてしまっていたのは事実。

でも・・・・・・。
まだ・・・・・。
まだ、闘う術が残っているんだという実感。
そして、このTG医師の力強い言葉と心意気のようなものが、もしかしたら、この治療が私にとって最後の抵抗になるのかもしれないけれども、この医師になら託してもいいという気持ちにさせる
例え、副作用で状況が今より悪い結果になったとしても、決して悔いや恨み言を残すことなく、晴れ晴れとその現実を受け止められそうな気がするのだ。

さっそく、5日後の8月7日(火)に、CT検査と放射線治療用の型取り?を実施することに。
病院からの帰り道、家内も「やっぱり、患者自身があれこれ動かないとダメなんだ・・・・」としみじみ。
そしてこの病院の姿勢、GT・TGの両医師の対応には心より感謝。

まだ・・・・・。
まだ、私には闘うことができるんだ・・・・・・・・・。



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プロフィール

North Wind

Author:North Wind
生年月日:1962年2月21日
性別:男
家族:妻、息子(独立済み)、わんこ(パピヨン2頭)
北海道札幌市在住

2015年12月21日。
年末の慌ただしい中、肝内胆管細胞がん(胆のうがん)、肝臓に10cm大の腫瘍、リンパ節転移、肺転移によりステージⅣと診断されました。
手術、放射線治療は不可とのことで、余命3ヶ月~半年との宣告を受ける。

しかし、2018年現在・・・・・。
抗癌剤治療にて仕事も、なんとか正常に継続し、今のところ生存しています。

追記1:2018.6.29
ここまで順調に癌の進行を抑えていましたが、とうとう腫瘍マーカーの急上昇、肺転移、肝臓中心部にも新たな腫瘍が発見されました。
最後の手段だった内服の抗癌剤の効果なしと判断され、もはや打つ手はなしと宣告されました。


追記2:2019.2.18
色々と手を尽くしてきましたが、いよいよもって『終わりの始まり編』に入ってきたようです。
大変、悔しく、断腸の想いでもありましたが仕事も退職しました。
これから、どんどん衰弱は進むでしょうが、最後の最後までこのブログは続けていこうと思っています。


どこまでできるかわかりませんが、癌と共に生きる、そして働くということ、癌になってわかったこと、学んだこと、そして私の生き様を記録に残していきたいと思います。

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